津軽三味線で寒さを吹き飛ばせ(2013/11/23掲載)


 今年も残すところ1ヶ月と少し。気が付けば師走は目の前ですね。何かと忙しく寒さも一段と増す季節ですから、みなさまくれぐれもご自愛くださいませ。ところで12月は何故「師走」というのでしょうね。その由来はその「師」が誰かというところで4説ほどあるようですが、いちばん有力なのが「師馳(は)せ月」(しはせづき)のようです。昔は正月も盆と同じように祖先の霊を弔う月であり、お経をあげるため、お坊さんがあちこちの家々を忙しく走りまわっていたようで。まぁいずれにしても「忙しい」っていう部分にかわりはなく、大館市民文化会館も忙しく様々な催物がございますので、ぜひ遊びにいらしてください。


■津軽三味線の魅力

 激しくも哀愁を帯びた津軽三味線の調べはとても魅力的ですよね。繊細でありながら力強くそして艶やかに響く音色は、気持ちが沈んでいる時でも何故か元気がでるような気がするのです。それは津軽という冬の厳しい大地で育まれた芸能だからなのかもしれません。

 そもそも「三味線」は様々なジャンルの音楽を育んできた日本の伝統的な弦楽器なわけですが、その中でも「太棹(ふとざお)」を用い、津軽の門付け芸から生まれたのが「津軽三味線」というジャンルとされています。「門付け」とは、芸人が家々を訪問し、門口に立って演じた芸能のことで、その多くは被差別民が担い手でした。それは津軽の地でも例外ではなく、目が不自由なため唯一の産業であった農業に従事することができない人々は「坊様(ボサマ)」と蔑まれ、家々の軒先で三味線を弾き施しをうけながら生きていたのです。そんな成り立ちの津軽三味線だけに、奴隷制度の中から生まれたブルースにも通じるような魂の音色を持ち、その即興性はジャズにも通じるような…っていうのはこじつけが過ぎますかね。

 それはさておき告知です。平成25年12月8日(日)14時30分より、会館大ホールにおいて『弘前大学津軽三味線サークル大館公演』を開催します。同サークルは2005年に結成され、現在では50名を超えるメンバーを擁する日本最大級の大学津軽三味線団体です。当館では平成22、23年度にも単独公演を開催しており、今回が3回目の大館公演です。出演メンバー全員での迫力の大合奏や民謡などの伝統曲から、サークルオリジナル曲まで、津軽三味線の魅力を余すことなく伝えるこの舞台をぜひご覧ください。前売料金は一律500円。全席自由席で文化会館はじめ各プレイガイドで販売しております。お求めはお早めにどうぞ。


■クラシック2題

 年末年始にかけてクラシックのコンサートが2本ございます。

 まず年末は『篠崎史紀ヴァイオリンリサイタル』。平成25年12月21日(土)14時開演、会場は会館大ホールです。篠崎さんはNHK交響楽団の第一コンサートマスターで、その風貌と人柄から「マロさん」の愛称で親しまれているヴァイオリニストです。共演には秋田出身のピアニスト佐藤卓史を迎えて、素敵なコンサートをお届けします。マロさんのヴァイオリンはもちろんですが、大館では久しぶりとなる佐藤さんのピアノも楽しみですね。チケットは全席自由席、一般3000円、高校生以下1500円(当日各500円増)で、各プレイガイドにて好評発売中です。

 そしてもう1本、年明けには宝くじ文化公演『東京フィルハーモニー交響楽団ニューイヤーコンサート』があります。1月12日(日)14時開演、会場は会館大ホールです。指揮に渡邊一正、ソリストに川久保賜紀を迎えて、新年にふさわしい華やかなコンサートをお届けします。チケットは全席自由席、一般3000円、高校生以下1500円(当日各500円増)で、こちらも各プレイガイドにて好評発売中です。宝くじの助成を受けての公演ですので、オーケストラが3000円で聴けちゃうお得なコンサートです。ぜひこの機会をお見逃しなく、みなさまお誘いあわせの上ご来場ください。

 以上、いずれも詳しくは大館市民文化会館(0186−49−7066)までお問い合わせくださいませ。(山)